いつもご支援本当にありがとうございます。
先月、更新ができず大変申し訳ありません。体調が微妙で、どうにも絵の方を進める事ができませんでした。ただ、長年の不眠状態がようやく解消され最近よく眠れるようになったのと、年々辛くなっていた冬場の体の冷えが今年は問題なかったので、今後体調は良くなりそうです。
お知らせなのですが、パパとおっちゃんはひとまずは小説版にてストーリーを完結させる事にしようと思います。
やっぱり漫画となると今の自分には相当の労力と時間がかかりいつ完成するか分かりませんし、いずれにせよこのお話は漫画だけでなく小説やゲーム等の形でも残しておきたいと思っていたので、まずは一番早く完成させられる小説でストーリーを完結させ、それを原作に漫画やイラスト等を描いていこうと思っています。
もちろん大事なシーンでは挿絵も自分で描いていきます。元々漫画で想定していたので、描きたい挿絵のイメージもしっかりあるので…。
ひとまず、メインシーンの完結は春頃を目標にしています。その後後編、完結編へと進みます。
漫画用に考えたストーリーだったので、ネタバレは漫画で…と思っていたのですが、やっぱり現実的な面で全てのお話とシーンを漫画で再現するのは今は難しい面もあるので、その分小説と、大事なシーンはしっかり挿絵イラストを描いていきたいと思っています(その後その絵を漫画に転用する事も考えつつ)。
小説版先行、今日決めた事なので、まだ1~2話分しか書けていませんが、随時追加、修正していきます。
自分ではいいお話になると思っているので、ひとまずは小説の形で申し訳ありませんが、よかったらどうぞよろしくお願いいたします。
※3/13 前回のがざっと書いた内容だったので、きちんと加筆修正しました。
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パパとママが離婚?
マンションのある一室、一人の少年が毛布をかけられてすやすや眠っている。
短めの髪、いかにも無垢であどけない顔、6歳くらいに見える。
「航ちゃん…ごめんね…」
その顔を眺めていた母親であろう女。年は30~40くらいだろうか。外出でもするのか、外着に大きめのバッグを抱えている。
憮然とした表情である一枚の紙をテーブルに置き、くるりと玄関に向けて歩き出した。
「ただいま」
同じ部屋にスーツ姿の男が帰ってきたのはその数時間後の事だった。
外はもうとっぷりと夜が暮れている。
その男は40、50歳くらい。随分恰幅が良く、豊かな口髭と整えられた髪。紳士的かつ、丸い体型と男らしくも穏やかな顔つきはいかにも良い父親である事を感じさせる。
碇 芝次郎、今年で50歳になる。
「パパ!たいへんだよ」
先程まで毛布の中で眠っていた少年がころころと父親の元に駆け寄ってくる。
「おお航平。ママはどうした?」
「それが…」
航平が困った顔をする。
ふと芝次郎がテーブルに目をやると、一枚のある紙が目に入ってきた。
「え…」
芝次郎がそれを手にして見ると、それは離婚届の用紙であった。
「り…離婚…!?」
ショックを受ける芝次郎。
プルルル
その時家のFAX機能付き電話機から着信音が鳴った。妻だろうか。
「もしもし!?」急いで電話に出る芝次郎。そこに聞き慣れた大きな声が響いてくる。
「おーーシバちゃん、今週も行くやろ?ゴルフ」
芝次郎の趣味友達の斧山多門だった。ほぼ同年代のバツイチ独身男で、仕事でのゴルフをきっかけにここ数年頻繁にゴルフや釣りなどを一緒に楽しむ仲だ。
「モンちゃんか…。いやそれが」
「えーーっ嫁はんに逃げられたぁ!?」
電話越しに関西弁の大きな声が響く。
「そうなんか…ワシ責任感じるわ。ここんとこ週末はゴルフか釣りばっかやったやろ」
それはその通りで芝次郎はここ数年、家族サービスが疎かになっていた部分は否めなかった。
「まあそれは…」
ぐぅううう…。芝次郎の腹から大きく腹の音が鳴った。
「…飯作りに行ったろか?明日休みやし…」
「パパおなかすいた…」航平が芝次郎の服を引っ張る。
「…モンちゃん、頼める?」
つづく...
やさしいおっちゃん
「さあできたで~」
マンションの一室から関西弁の声が響く。
芝次郎の友人、斧山多門が対面型カウンターキッチンから両手に湯気の上がる皿を持ち木製のテーブルに運んでくる。食欲をそそる良い香りが立ち上る。
背は芝次郎より少し低いくらいだが、同じくらいどっしりした体形、丸い腹。笑い皺のある愛嬌のある顔に芝次郎ほど濃くはないまばらなちょび髭、少し額が進行している短髪。
いかにも下町のおっちゃんという感じの男だった。
「わぁっおいしそう!」
航平が待ってましたとばかりに駆け寄ってくる。
「はは、いっぱい食べや」
「いただきます!」
子供専用の小さな椅子に座り早速航平が食べ始める。
「モンちゃん、スマンな」
スーツを脱ぎネクタイを外した芝次郎が礼を言う。
「ええよええよ。で…嫁はんどうやったん」
航平から少し距離を取り、多門が芝次郎に耳打ちする。
「いや…それが実家にも帰ってないみたいでな。今までも何度か家出はあったから帰ってくるとは思うんだが…」
芝次郎が腕組みをしながら言う。
「おいしかった!」
よほどお腹が空いていたのだろう。航平はきれいにお皿を平らげていた。
「ほら航平。アレは?」
航平の肩を抱き、芝次郎がウィンクする。
一瞬不思議そうにした航平が、はっと上を向く。
「!」
ガバッ
「おっちゃんありがとう!!」
航平は突然多門に抱き着いていた。
ドッキーン
多門は驚いて顔を赤くしている。
「航平GJ!」芝次郎が小声で言う。
「え…ええねん。ええねん。これくらいいつでも作りに来たるわ」
多門は照れつつも航平を抱っこし頭を撫でながら言う。
「助かるよモンちゃん。あ、風呂入って行ってな」
食後のビール片手に飲みながら芝次郎が言う。
「いやいや、嫁はんがこんな時に…」
航平は満腹になり別の部屋で布団をかけられ眠った。
ぼんやりした頭の中に、航平と芝次郎の声が響いてくる。
「おっちゃん、おかえり!」
「モンちゃんおかえり」
航平と芝次郎が穏やかに笑っている。
「さあ今日は皆で御馳走だぞ」
「やったー!」
温かい料理の乗ったテーブル。それを囲む芝次郎と航平、そして自分。
そんな幸せなイメージの後、陶然とした頭の中にワイシャツをはだけて色っぽい姿の芝次郎の姿が浮かぶ。
「航平も寝たしじゃあ後は…」
風呂に浸かりながらハッと妄想から我に返る多門。結局風呂は借りたのだった。
(ワシ何を考えとるんやろ…アホやな)
多門は一人暮らしだった。寂しい一人暮らしで荒んだ生活を送っていた数年前、仕事でのゴルフで芝次郎と知り合った。
気が合った二人はすぐに仲良くなり、たまに食事に呼ばれたり、一緒にゴルフや釣りを楽しむ仲になった。航平も気さくで面倒見の良い多門によく懐き、一緒に釣りに連れて行った事もある。
「モンちゃん」
風呂場の扉を開けて芝次郎が声をかけてくる。
「今日はありがとな。助かったよ」
「ええねん。それより奥さん探すんやろ。心当たりはあるんか?」
「いや…それが普段何をしてたのか分からなくてな」
芝次郎が少し困ったような顔をして言う。
「あかんで。夫婦は会話が大事…ってバツイチのワシがゆうても説得力ないけど」
多門は少し寂し気に笑った。
「いやいや…まあ、とりあえずあいつが行きそうな所から行ってみるよ」
「そおか…」
急に多門の股間あたりをじっと見つめる芝次郎。
さっきの色っぽい芝次郎の姿の妄想で多門ははからずも興奮していたらしい。
「モンちゃんもまだまだ現役だな」
笑って芝次郎は言う。
しまった、と顔を赤くし慌てて股間を隠す多門。
「はっ!?何言うてんねん。閉めて…」
そう言いつつも多門もどこか楽しげだった。
つづく…